はじめに 欠陥住宅とは Q&A 掲示板 リンク メール
2-1: 完成後・・・ 1)
2-2: 完成後・・・ 2)
2-3: 他人任せ・・
2-4: 最初の・・・・
2-5: 最初の・・・2
2-6: 真相究明へ
2-7: 再び壁と・・・
2-8: 補強金物・1
2-9: 補強金物・2
2-10:阪神・淡路 大震災
2-11:設計者・・・1
2-12:設計者・・・2

第2章-6:真相究明へ。1歩前進のG設計事務所調査報告書.1

(平成10年9月24日提出)
平成10年5月23日、G建築設計事務所の社長と某建設会社会長をともなって、友人が訪ねてくれました。E氏を紹介してくれた同じ友人です。5月29日、今度はG建築設計事務所の社長が社員数名 (いずれも一級建築士)を同道して訪れました。一行は、建物現況を検分後に、E氏の調査報告書に入念に目を通され、後日の本格的な調査を約束して引揚げました。彼らの姿勢には、建築業界の中になお脈々と流れる、建築への誠実な魂を感じることができました。

G建築設計事務所では、I氏が担当責任者となり、まずE氏作成の報告書の真偽検討から着手しました。基礎、壁(構造体と、それをサンドイッチ状にはさむ内壁と外壁、すなわち2x4建築におけるパネル、(
Q&A 5参照)、屋根の検証です。

 

E氏の先駆的報告書では、耐力壁をなす構造体としての構造用合板の不使用(建築確認申請書および設計図書には、9mm厚構造用合板と明記している)が指摘されました(前章)が、その代わりに使用されているものが何であるのかは、未解明でした。今回の調査で、本来構造用合板が使用されてしかるべき位置にある、両面をアルミ蒸着した紙製ラミネート板らしき建材部分を持って、I氏が足を運んだのは、山口県産業技術センターです。







そこで次の情報が入手できました。
?ラミネート板は、米国ミシガン州で生産され、●○ハウジング株式会社(現在は社名変更により●○●○建材株式会社)が輸入販売している
サーモプライという構造用合板代替品で、同材の厚さは2x4用で3.5mmである(在来軸組工法用は4mm)。
?指定の補強金物(S-65金物その他)を使用した場合にのみ、耐力壁としての建設省認可を受けており、2x4工法での壁倍率1.5が認定されている。
以上の情報にもとづき、輸入販売元から、サーモプライの資料請求を行いました。

ところで、話は少し前後しますが、E氏(前章)の調査報告書では、構造用合板不使用であるという結果でしたので、それならば重大な工法違反であり、漏水に関わる補修だけでは到底、長期間の耐久性が保証されないであろうということで、平成10年7月15日付で、全面建替を求め、福岡地方裁判所に損害賠償請求の民事訴訟を起こしたのです(裁判の詳細は、今後、別のコンテンツで明らかにする予定)。

しかし、I氏らによる今回の調査報告書では、サーモプライ自体は(指定の施工方法を遵守する限り)、通産省の認定を受けた建材であるということが判明し、建替要求は無理ではないかと落胆しました。屋根も壁もデタラメな建物なのに、もしも補修だけで済むという裁判結果になったら、どれだけいい加減な設計監理・施工管理をされても、泣き寝入りするしかないのでしょうか?
(この後、実はドンデン返しが継続することになります)
写真をクリックすると拡大にします。ブラウザの【戻る】で戻ってきて下さい。
▲上へ 次へ