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第2章-8:「補強金物不使用の証明へ、その1」

G建築事務所I氏(一級建築士)との会話。

私 「強風の時に、二階にいると揺れるのですが、何か構造的な問題はないでしょうか?」

I氏「それが本当なら、パネルと基礎を緊結するはずの金物が使用されていないことも考えられます。」

私 「どういう意味ですか。」
I氏「ちょっと考えにくいのですが、もしも補強用の金物が使われていないとしたら、2x4工法では、住宅金融公庫の融資は受けられないのです。」

私 「この建物は面積が少しオーバーしている関係で、住宅金融公庫融資は受けていないのです。だから関係ないのではないでしょうか。」

I氏「いや、全然、そんな問題ではないですよ。金融公庫から融資を受けたとか受けていないとかに関係なく、2x4だったら接合用の補強金物を使うのが常識なのです。
2x4工法の構造を規定している枠組壁工法技術基準告示(注:昭和57年建設省告示第56号)という法律があって、それには、補強金物は構造強度を確保するためにきわめて重要なもの、と解説されています。それがないと、建物の耐力が保証できないからです。
さらに、住宅金融公庫枠組壁工法共通施工基準という規定があって、木造住宅の場合には、構造強度を確保するために各部材を金物で緊結することが不可欠であると明記されているのです。」

注:緊結という用語については、「欠陥住宅を正す会HP」をご覧ください。当院HPにもLINKしてあります。







私 「つまり、融資した資金を回収するまで建物の寿命を保証するには、補強金物使用が欠かせないという意味ですね。」

I氏「そうです。2x4工法で補強金物を使用しない建物というのは考えにくいです。構造用合板(壁倍率3.5)よりも数段強度の劣る代替建材(注:サーモプライの壁倍率1.5)を施主に説明なく使用しながら、その上に補強金物まで使わないとなったら…。」

注:壁倍率という用語についても、上記「欠陥住宅を正す会HP」をご覧ください。

私 「そうですか、普通は逆に何とか構造体の強度をアップしようと考えますよね。でも補強金物の使用を確認するためには、また壁を剥がさないといけないですね。」

I氏「そうですね。建築中の様子を撮影したビデオ(注:施主保存用にC建設撮影のもの)も数回見たのですが、補強金物は使用されていないようです。」
私 「もし、金物が使用されていないようでしたら、また剥がすことも止むを得ません。異存はないです。こうなったら、徹底的に真相を究明したいというのが、本音です。」


数日後、I氏からの電話で、
「念の為、またビデオを見直したのですが、どの日に撮影されたフィルムにも、やはり金物は使っていないようですね。」との連絡。それで、サーモプライの輸入販売会社の担当者に立会してもらい、壁を剥がすことにしました。


A氏が恐れるであろう最大の工法違反、壁内部の様子を直接確認する作業…。

遅々とした歩みでしたが、私はまた真相に1歩近づいたのです。
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