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3-1: 第3者鑑定とその
3-2: A氏の同門建築家
3-3: 鑑定報告書で・・1
3-4: 鑑定報告書で・・2
3-5:
3-6:
3-7:

第3章-4:鑑定報告書で独創された【技術基準】2


接合金物の不使用について鑑定評価書(管理者注:報告書の表紙には鑑定評価書とあり、本文では鑑定報告書とある)では以下のように解釈されています。

《原告側主張の金物の不使用については、調査した3箇所全てにおいて使用されていない事から、建物全体に及んでいると考えられる。但し、
サーモプライを押える形で外壁材下地の木胴縁が同じ位置でかつ4倍短い間隔で入っている事から、その代用になりうると考えられる。単独では金物の強度より落ちるものの、その間隔が455mmであり、金物の1820mm間隔よりも4倍短いという事から、同程度以上の強度が確保できる。
これについては別添資料-2 「補強金物による接合部の構造計算」参照、(鑑定評価書p6)

つまり、
木胴縁が接合金物の代用になる、しかも同程度以上の強度が確保できると述べているのです。
勝手に2x4工法の新「技術基準」を提案していると理解できます。

しかし、木胴縁はどれだけ短い間隔で使用されていようと、耐力材などではなく、外壁下地を支えるだけの非耐力材に過ぎません。2x4工法の技術書で、耐力材すなわち構造材料として解説されているのは、以下の4つの建材だけです(
Q&A1を参照)。

A:ディメンジョンランバー(枠組材)
JAS規格により種別・等級、寸法形式、樹種グループの3項目から分類されている。








B:構造用合板(構造用面材)
および種々のパネル、ボード類合板とパネル類はJAS規格により基準・格付が行われている。代替ボード類はJIS規格で規定。
C:釘
JIS規格で6種類の釘が規定されている。
D:接合金物
枠組材相互、枠組材と土間スラブ、柱と梁、小屋組と壁組などの緊結、根太の支持、梁材の支持、壁組の隅角・T字部の補強その他異種の建材が出会う場所での緊結目的で使用される。

接合金物についてのみ言えば、とくに地震や台風などの瞬間的な強い外力が作用した時に、構造材が引抜き圧力に耐えることが可能か否かは、金物の適切な使用に密接に依存しており、金物不使用の2x4住宅は地震・台風には無力であると言えるのです。
ところで、鑑定人たちが勝手に作った新「技術基準」に従い、別添資料-2「補強金物による接合部の構造計算」においては、以下のように論理のさらなる飛躍的展開が遂げられます
(詳細な計算式は省略)

《胴縁材の引張り強度による場合で耐力壁の幅=0.91m材ピッチが@455にて耐力壁の等価幅ゆえ、
耐力壁の幅(b)=0.91 + 0.455 = 1.365m
(鑑定評価書別添資料-2、13〜14行目)

この式は何を意味するのでしょうか?鑑定人たちは、壁倍率の計算に必要な耐力壁の幅(b)を、0.91mではなく、1.5倍の1.365mに水増ししたのです。0.455mというのは、縦胴縁のとりつけ幅です。つまり、縦胴縁間の幅0.455mが、いつのまにか、構造材である、サーモプライ1枚の幅0.91mにこっそりと加えられて、1.5倍にパワーアップされたのでした。これだけでも驚きなのに、鑑定評価書にはさらに驚きが隠されていました。


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