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現在進行中
3-1: 第3者鑑定とその
3-2: A氏の同門建築家
3-3: 鑑定報告書で・・1
3-4: 鑑定報告書で・・2
3-5: 報告書のトリック
3-6: 鑑定人はどの・・1
3-7: 鑑定人はどの・・2
3-8: 屋根の施工管理と
3-9: 耐力壁-レントゲン室
3-10:・・・・・・・・

第3章-9:耐力壁―レントゲン室外壁に穴

平成11年11月21日、第3回目の鑑定調査が行われました。

レントゲン室外壁の剥ぎ取り調査を開始まもなく、鑑定人の一人から、「先生、出ましたよ!」と知らされました。

「出たって、いったい何が出たのだろう?」と思いつつ、中庭に面しているレントゲン室外壁に近づいた途端、絶句しました(写真1、2)。
2x4でもっとも重要な耐力壁そのものが、紙おむつ状にぶよぶよになり、一部は完全に腐食して穴が開いていたのです。

(以下鑑定報告書15頁より一部を引用)

「外部足場を組立て後、片側約1m+50cm x 高さ約3.5m(屋根金物迄)をカッター入後、タイル+下地モルベースボード+防水紙を剥取る。1m幅部分の上部に防水紙が幅約30cm程度のあきがある。
下部の高さ80cm程度のサーモプライが軟質化しているため、
強く押してみると楽に穴があき、内部のファイバーボードが非常に劣化していて、強度が期待できない状態となっている。
(中略)
全体で約80cmx80cm部が同状態となっている。(見本採取)

胴縁もはずして見るが、サーモプライのジョイント部に必要とされている金物は一切使われておらず、以前の剥取部分の結果とも照らし合わせてみても、建物全体に金物が使われているとは思えない。











木胴縁をその代替えと考えているのか、施工者の真意をただす必要があるが、その際は金物の替わりになりうるか、構造計算が必要となる。
この、サーモプライの劣化は大きな問題と考えられる。面材としての強度が確保できないとなれば、建設省の認定にも影響を及ぼす事となる。」

鑑定報告書別添資料―1「現地調査報告書」ではこのような議論ですが、報告書本文では一転して、「胴縁の強度が十分なので、金物は必要ない、サーモプライは大臣認定を得た構造用合板代替品なので問題はない」という奇妙な結論になっているのです(
第3章4第3章5参照)。

同様のサーモプライ劣化は、二階台所シンク裏の外壁でも見つかりました。これまで、剥取り調査を行った5箇所中4箇所の外壁で、同様もしくは一歩手前の劣化が見られました。2x4住宅における耐力壁材であるサーモプライの80%が腐食しているということは、人体に例えれば全身の骨格がほとんど腐っている状態と推定されます。

第三者鑑定に先だって詳細な報告書を作成していただいた一級建築士のE氏や、G建築設計事務所I氏はともに、「この建物はよくこれで立っていられますよね。」と感心したり呆れたりしたのです。

レントゲン室外壁に巨大な穴が開いている、という驚愕すべき事実が明らかになってから、私の体調不良は持続的なものとなりました。少しでも食べて眠って、日常診療業務において平常心を失わないように努めること、それが私の闘うべき最大の相手となったからです。

つづく
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写真1(レントゲン室)
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