調査依頼項目1.【III】設計図書を下回る瑕疵はどのようなものであるか
@@@@@@@@@@@@@@@@@@報告書(つづき)
設計図書を下回る箇所と内容は下記のとおりである。
9:外壁壁材の変更及び壁倍率の低下
設計図書(矩形図)には、外壁の壁材は「構造用合板@9.0」と記載されているが、現状は告示第56号第2第3号に基づく認定材料「サーモプライ」で施工されている(写真省略)。
また、告示第56号第5の表1-2は耐力壁について、厚さ9mm以上の構造用合板の倍率数値は、規格1級で3.5倍、規格2級で3倍と定めている。一方、「サーモプライ」の大臣認定書には、サーモプライ直貼り壁の倍率数値は1.5倍と記載されており、構造用合板からサーモプライに変更したことで、外壁の構造耐力が低下している。
したがって、本件建物の外壁壁材は設計図書を下回る瑕疵があり、厚さ9mmの構造用合板に貼りかえる補修が必要である。
10:屋根・外壁異種接合部のシーリング未施工
設計図書(特記仕様書-2)の「防水工事5.シーリング用材料」には「ポリサルファイド系 屋根・外壁異種仕上接合部 伸縮目地」と記載されているが、現状の屋根・外壁異種仕上接合部は伸縮目地とシーリングが未施工である(写真省略)。そのため、外壁タイル裏面に雨水が浸入しているおそれがある。
したがって、本件建物の屋根・外壁異種仕上接合部は設計図書を下回る瑕疵があり、目地を設置してシーリングを行う補修が必要である。
11:天井裏断熱材の敷き込み不良
設計図書(1階小屋・2階天井伏図)によると、2階天井裏には厚さ100mmのグラスウールが設置されている。しかし、現状はグラスウールが敷きこまれていない箇所がある(写真省略)。
したがって、本件建物の2階天井裏の断熱材は、設計図書を下回る瑕疵があり、断熱材の敷き込み補修が必要である。
12:屋根断熱材の設置位置不良
設計図書(矩形図)によると、診療所部分の天井裏断熱材は、屋根のたる木間に設置されている。しかし、現状の断熱材は天井裏に設置されているため(写真省略)、設備機器や設備配管による敷き込み不良箇所がある。
したがって、診療所部分の天井裏断熱材は、設計図書を下回る瑕疵があり、設計図書に基づいてたる木間に断熱材を設置する補修が必要である。
13:屋根梁とたる木接合部分の帯金物S-90の未設置
設計図書(2階小屋伏図)によると、2階食堂及びスタッフルーム上部の屋根梁とたる木接合部には、帯金物S45@455及びS90@910が設置されている。しかし、現状は帯金物S45は設置されているが、帯金物S90は設置されていない(写真省略)。
したがって、屋根梁とたる木接合部は、設計図書を下回る瑕疵があり、設計図書に基づいて帯金物S90を設置する補修が必要である。
14:軒天化粧材の変更
設計図書(外部仕上表)によると、軒天井は「岩綿吸音板@19キューブ(外部用)AEP吹付」である。「キューブ」は表面が凹凸のある仕上げのものをいう。
一方、現状の厚さ9mmの軒天化粧材は表面模様から日東紡のミネラートンかソーラトンであるが、ミネラートンは厚9mmの製品がないため、岩綿吸音板「ソーラトン フィッシャー 厚9mm」と推定される(写真省略)。なお、現状の岩綿吸音板が軒天用か室内用かは、雨水で退色しているため不明である。また、AEP吹付は未施工である。
したがって、本件建物の軒天化粧材は、厚さ、表面模様、AEP吹付などで、設計図書の指示する材料を下回る瑕疵がある。
なお、軒天専用の「ソーラトン軒天」は、厚19mmの製品がないため、「ソーラトン軒天キューブ厚15mm」で張り直す補修が必要である。また、施工仕様は耐水石こうボード下地のうえ、酢酸ビニル樹脂溶剤形接着貼り、及びステンレスステープル打ちとなる。
15:アスファルトルーフィングの施工不良
設計図書(矩形図)によると、屋根下地は、上から「アスファルトルーフィング22kg」、「パーチクルボード@18」、「構造用合板@9.0」となっている。また、設計図書(外部仕上表)にも、「パーティクルボード@18の上アスファルトルーフィング940下地」と記載されている。
しかし、現状のステンレスフッ素加工板の下地は木毛版で、アスファルトルーフィングが未施工である(写真省略)。
仮に、ステンレスフッ素加工板から雨漏りが生じると、野地板の木毛版が腐食することになる。
したがって、現状のアスファルトルーフィングは設計図書を下回る瑕疵があり、設計図書に基づいて、アスファルトルーフィングをステンレスフッ素加工板下に設置する補修が必要である。
(以下次回につづく)