第4章-12:Ω氏による調査報告書 6

調査依頼項目2.【I】〜【III】以外の瑕疵があるか。あれば、その箇所を図面・写真等で特定せよ。また、その内容・程度はどのようなものか。



@@@@@@@@@@@@@@@@@@報告書(つづき)


上記以外の瑕疵の箇所と内容は下記のとおりである。


16:基礎パッキンの施工不良

本件建物は、基礎と土台の間にパッキンを設置するJotoキソパッキング工法が採用されている。本件建物は枠組壁工法で、KP-100タイプのキソパッキンが使用されているが、キソパッキング工法には標準仕様書がある。

1階和室床下調査を行った結果、現状のキソパッキンと標準仕様書を比較すると、「図2:和室床下瑕疵図」に示すように、以下の瑕疵がある。


I)集中荷重の生じる部分の未設置
@@標準仕様書6-3-(イ)-1は、基礎パッキンの敷込み箇所について、
@@「集中荷重の生じる部分」と規定している。
@@しかし、現状のキソパッキンは、耐力壁端部のたて枠直下に設置
@@されていない。

@@したがって、壁端部のたて枠直下には、キソパッキンを設置する
@@補修が必要である。

II)設置間隔の不良
@@標準仕様書6-3-(イ)-4はキソパッキンの敷込み箇所について、
@@「敷込みの設置間隔は1m以下とする」と規定している。
@@しかし、現状のキソパッキンは、設計図書(基礎伏図)に示されている
@@アンカーボルト位置に主として設置されており、設置間隔は約1.2m
@@(写真省略)、約1.3m、約1.35mの箇所があり、1mを超えている。

@@したがって、キソパッキンの設置間隔を1m以内とする補修が
@@必要である。

III)耐力壁交差部分の未設置及び枚数不足
@@標準仕様書6-3-(ロ)-1はKP−100のキソパッキンの敷込み枚数
@@について、「主要な耐力壁の軸通りが交差する部分は2枚以上」と規定
@@している。
@@しかし、現状の耐力壁の軸通りが交差する部分で、キソパッキンの
@@未設置箇所や1枚しか設置されていない箇所がある。
@@したがって、主要な耐力壁の軸通りが交差する部分は2枚以上の
@@キソパッキンを設置する補修が必要である。

IV)設置方向の施工不良
@@標準仕様書6-4-(ホ)はキソパッキンの設置要領について、「枠組壁
@@工法では、土台を設置した状態で、キソパッキンが土台側面より
@@約5mmはみだしていることが正常な状態」としている。
@@しかし、キソパッキンの設置方向が90°誤って設置されている箇所が
@@り、キソパッキンは土台より相当はみ出している(写真省略)。
@@したがって、キソパッキンの設置方向を是正する補修が必要である。
@@なお、和室以外の基礎パッキンについても同様の瑕疵が推定される。



17:端根太ころび止め、端根太、壁下枠の腐食及び床根太の材質不良

本件建物の1階和室床下を調査したところ、「図2:和室床下瑕疵図」に示す箇所で、端根太ころび止めの腐食(写真省略)や、床根太の材質不良がある(写真省略)。
また、外壁下地調査を行ったところ、「図1:1、2階瑕疵図」に示す箇所で、端根太及び耐力壁下枠が雨水の浸入によって腐食している(写真省略)。

したがって、腐食や材質不良の枠組は取り替える補修が必要である。
なお、調査箇所以外についても、雨水の浸入による枠組の腐食箇所があると推定される。


18:外壁の亀裂

本件建物の外壁はブリックタイル貼りであるが、タイル下地のジョイント部分で多数の亀裂が発生しており(写真省略)、雨水が浸入するおそれがある。また、タイル壁面には誘発目地が設置されていない。

したがって、誘発目地を設置して、外壁タイルを貼り替える補修が必要である。


19:布基礎の未設置

本件建物の1階診療所トイレ南側で、外壁に布基礎が設置されていない箇所がある(写真省略)。
当該箇所は耐力壁ではないが、外壁の下部は雨水の浸入や虫・鼠等の侵入のおそれがある(写真省略)。また、美観を損ねている。

したがって、外壁下部に布基礎を設置する補修が必要である。


(以下、次回につづく)