調査依頼項目2.【I】〜【III】以外の瑕疵があるか。あれば、その箇所を図面・写真等で特定せよ。また、その内容・程度はどのようなものか。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@報告書(つづき)
20:棟包み板、雨押え包み板、軒先・けらば水切り等の施工不良
I )接合部の施工不良
@@本件建物の片流れ屋根水上には曲面の棟包みが設置されている
@@(写真省略)。また、軒先及びけらばにも曲面の水切りが設置されて
@@おり、いずれも2枚の水切り(上水切り、下水切り)で作られている
@@(写真省略)。
@@しかし、現地調査の結果、棟包み板の継手ははぜ継ぎが未施工で
@@重ねているだけである(写真省略)。棟包み板の継手はシーリングが
@@施工されている箇所もあるが、現状は劣化して防水の効用がない
@@箇所もある(写真省略)。また、診療所東側の軒先水切りは、下図
@@(写真)に示すように、上水切りと下水切りのはぜ継ぎが未施工であ
@@る、重ね長さも小さい。さらに、けらば水切りも継手ははぜ継ぎが未
@@施工で(写真省略)、雨水が浸入するおそれがある。
@@したがって、現状の棟包み板、軒先水切り及びけらば水切りの接合
@@部は、はぜ継ぎにする補修が必要である。
@@なお、診療室東側軒天のロックウール化粧板の雨漏り(写真省略)と
@@腐食は、吹き降り時の軒先上水切りと下水切りの隙間からの雨水の
@@浸入や軒先下水切りからのまわり込みによるものと推定される。
@@また、本件建物外壁にみられる多数の雨垂れ跡(写真省略)は、軒の
@@出が無いことや軒先水切りの施工不良により生じたものと
@@推定される。
II )折り下げの施工不良及びあだ折りの未施工
@@本件建物の水上部分の雨押え包み板は、かわら棒上端及び溝板
@@底部まで折り下げられておらず、あだ折りも未施工であるため、雨
@@押え包み板と溝板、かわら棒の間に隙間が生じている(写真省略)。
@@また、片流れ屋根の水上には曲面の棟包みが設置されているが、
@@棟包み板の折り下げは別の水切りと接合されており、雨水が浸入
@@するおそれのある納まりになっている(写真省略)。
@@したがって、現状の雨押え包み板及び棟包み板は、取り替える補
@@修が必要である。
@@なお、参考までに述べると、住宅金融公庫の共通仕様書5.2.7.3ハ
@@及び5.2.8.リは、心木なしかわら棒ぶきの棟包み板及び雨押え包み
@@板について、「…かわら棒部分では、かわら棒上端まで、また、溝板
@@部分では溝板底部まで折り下げる。この場合、それぞれの先端は、
@@あだ折りとし、20mm程度を屋根面へそわせて折り曲げる。」として
@@いる。
III )立ち上がりの不足
@@(株)G建築設計事務所作成の「一木こどもクリニック建物現況調査
@@報告書」によると、同報告書写真15に指摘されているように、雨押
@@え包み板の立ち上がりは約45mmと小さい。そのため、雨水が屋内
@@に浸入するおそれがある。
@@したがって、現状の雨押え包み板は、立ち上がりが充分あるものに
@@取り替える補修が必要である。
@@なお、参考までに述べると、住宅金融公庫の共通仕様書5.2.8.チは、
@@「…水上部分及び流れ方向の壁際の雨押え包み板は、上端を壁に
@@沿って120mm以上立ち上げ、先端をあだ折りし、壁下地に450mm
@@程度の間隔で釘留めとする。」としている。
21:かわら棒小口桟鼻の施工不良
本件建物の屋根は、ステンレスフッ素加工板の心木なしかわら棒葺きである。現地調査の結果、現状の小口桟鼻はかわら棒をつかみ込むように施工されている(写真省略)。また、重ね部分にはシーリングが行われているが、かわら棒とシーリング材は縁切れし、隙間が生じている(写真省略)。そのため、雨水がかわら棒の裏面に浸入するおそれがある。
したがって、かわら棒包み板の端部は小口桟鼻をつかみ込むように設置する補修が必要である。
なお、参考までに述べると、住宅金融公庫の共通仕様書5.2.9.4は、「心木なしかわら棒ぶきのかわら棒の小口包みは、桟鼻仕様とする。桟鼻は、通しつり子の先端部に差し込み、溝板の両耳部分及びかわら棒包み板の端部を、桟鼻につかみ込ませる。」としている。
22:トップライト廻りの勾配不良
本件建物の東側屋根には、4箇所のトップライトが設置されており、水上の雨仕舞はかわら棒葺きの上にステンレスフッ素加工板で平板葺きされている。
しかし、現状の平板葺きはトップライトまわりで勾配不良による水溜りが発生している(写真省略)。したがって、雨水が良好に流れるように平板葺きの勾配を補修する必要がある。
23:隠し軒どいの勾配不良
本件建物の2階屋根の北東部に隠し軒どいが設置されている。
しかし、現状の隠し軒どいは、勾配不良による水溜りが発生し、汚泥が堆積している(写真省略)。
したがって、雨水が良好に流れるように水勾配を補修する必要がある。
屋根廻り瑕疵図
24:壁クロスの染み
カウンセリングルーム吹き抜けの西面壁クロスには、縦方向の染みがあ(写真省略)。当該箇所は、前述した隠し軒どいの直下に位置することから、隠し軒どいまわりから雨水が浸入し、染みが発生したと推定される。
したがって、上記壁クロスの染みは美観を損ねており、クロスを貼り替える補修が必要である。
(以下、次回につづく)