第4章-8:Ω氏による調査報告書 2

Ω氏報告書に対するA氏の反論 (乙イ第10号証 A氏陳述書16頁より)。
なお、A氏による反論の引用部分は
文字色を変えてあります。

「この報告書の重箱の隅をつつくような内容について、若干反論します。

1:耐力壁下部の土台・布基礎の不設置について
この壁は耐力壁とはみなしていないが、補完する壁と考えている。よって、基礎は不要です。これについて、耐力壁線Y1通り上の、開口幅の指摘については、X2-X3通り間のブロック、X3-X7通り間のブロック、X7-X10通り間のブロックを合わせた3ブロックでの開口幅チェックを行っています。

(AW/2 + AW/3 + AW/4 + AW/5 + AW/6)x2 ÷ (X2-X10通り間隔) = 8.592 / 12.43 = 0.691 < 3/4 = 0.75 

となり、違反・瑕疵はありません。この点については、1988年 建設省住宅局建築指導課他編:枠組壁工法の手引P54の11項にP47図5,9による解説があります。」



「耐力壁とはみなしていないが、補完する壁と考えている」とは大変奇妙な思考です。建物の壁には、耐力壁か非耐力壁かどちらかしかないのですから。
「補完する壁」という記載は、告示のどこにあるのでしょうか?


A氏の反論に対するΩ氏の再反論を、そのまま引用させていただきます。
(平成10年ワ第2276号事件に関する意見書1〜2頁より)

1) 耐力壁線とは耐力壁の中心線を結んだ直線をいい、次の条件を満たしたものでなければならない。
A:告示第56号第5第6号の規定に適合するように、端部に長さ90cm以上の耐力壁を当該耐力壁線上、またはそれと直交する他の耐力壁線上に設けなければならない。(但し、外壁のみ。補強した場合はこの限りではない。)
B:告示第56号第5第10号の規定に適合するように、一つの開口部の幅は4m以下とし、開口部の合計は当該耐力壁線の長さの3/4以下としなければならない。また、告示第56号第5第12号に規定するように、長さ90cm以上の耐力壁線上の開口部の上部には、原則としてまぐさを設けなければならない。

2) 耐力壁線
耐力壁線は耐力壁の中心線を結ぶ直線であるから、当該耐力壁線は「耐力壁線検討図(HP作成者注:写真参照)」に示すように、X2〜X10-91cm間の12.829mである。

3) 耐力壁線端部
当該耐力壁線の端部は「耐力壁線検討図」に示すように、長さ90cm以上の耐力壁が設置されていない。また、端部に直交する耐力壁線上にも90cm以上の耐力壁がない。
したがって、当該耐力壁線は告示第56号第5第6号の規定を満足しない。

4) 開口部の合計
耐力壁の幅はその高さの1/3以上である。
当該耐力壁の高さは設計図書「A-28矩形図」によれば2.750mであるから、当該耐力壁の幅は0.917m(2.750m x 1/3)以上となる。

したがって、「耐力壁線の検討図」に示すように当該耐力壁線の耐力壁の長さは2.9525m(HP作成者注:0.999m+0.999m+0.9545m=2.9525m、各耐力壁の幅は、設計図書に示される各当該耐力壁の高さ x 1/3で計算。
なお、この耐力壁線上の屋根面はX2からX10に向って少し下がり勾配であるために、耐力壁の高さが微妙に変化している)、開口部の合計は9.8765mである(12.829m-2.9525m=9.8765m)。開口部率は3/4(0.75)を超えて0.7698となり、告示第56号第5第11号を満足しない。

5) 上記理由により、乙(イ)第10号証の8(2)1の主張は誤りであり、当該耐力壁線は令第80条の2に違反する瑕疵がある。
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@(以下、次回につづく)

クリックすると拡大します