はじめに 欠陥住宅とは Q&A 掲示板 リンク メール
1-1:感動!
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1-6:めざめ・・・。
1-7:もう、ここには・・・1)
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第1章-6:めざめ・・・。

ちょうど真冬で当地でもインフルエンザが流行しておりましたから、小児の患者さんはどこの医院でも多かったはずですが、当院には開院直後ということもあってか、患者さんは
初日以後ほとんどきません。

ですから、1日中ずっと待っていて、たまに来られた患者さんから非常に厳しいお叱りを受けると、心理的にダメージが大きく感じられるのです。
それから、看板をつけるべきかどうしようか、ずっと迷いつづけておりました。
そして1月30日、ついに内心もっとも恐れていたことが起こってしまいました。

「こどもが急に高熱をだしたのに、どこの小児科でも待ち時間が長いと言うから、新規開院の小児科ならまだ空いているのではと、先日の開院のチラシを思い出してきたんだけど、いくら探してもわからない。1時間以上うろうろ探し回って、あきらめようかと思ったところに、隣の薬局の看板が目についたから、もしやと思ってきてみたら、やっぱりここだったんですね。もう本当に疲れました。あんまりにも不親切じゃあない
ですか。医療って公共機関と同じでしょ。こどもはぐったりするし。何とかしてくださいよ。」


私はまったく返す言葉もありませんでした。
自分だけのデザイン感覚に陶酔して、サービスを受けるべき人の立場をまったく理解していなかった、そういうあまりにも当然のことに、患者さんの一言で気づいたのです。










もはや、A氏に看板をつけたいなどと相談する必要はない。
それは依頼者であり、また医療サービスをこの地で継続していく自分の責任ではないか、そもそも本当に依頼者の立場を理解して設計したのであれば、建物が完成する前に、いや、起工式の前に「小児科医院開業予定」の案内をだしてしかるべきではないだろうか?
それこそが、A氏が私のために、最初に為すべき職務ではなかっただろうか?

そういうことを電撃に打たれたように私は瞬時に理解したのです。そして診療が終了後、すぐに近所の看板屋さんに電照看板の見積をお願いしました。

当時、私は診療所2階にある6畳ほどの院長室に泊り込んで
いましたが、その日開院以来初めて安眠することができました。
患者さんからのお叱りにもかかわらず・・・・。
A氏のマインドコントロールから、私は徐々に離脱しつつあったのです。

Q&A 1:2X4って・・?
Q&A 2:外壁は・・・?

さぁ、離脱!つづく!
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