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第1章-8:もう、ここには・・・2)。
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ところで、基本設計監理料以外の内外装のコーディネイト料という、契約段階では、まったく聞いていなかったものを、途中でA氏から催促されましたので、家具、カーテン・ブラインド、外溝工事、その他玄関マットなどにいたるまで、すべてに10%の仲介料を払うことになりました。
院長室の家具などは日々使うものですから、私がアレンジしたかったのですが、A氏がどうしても自分にやらせて欲しいと言い、それじゃあということになったのです。
ところが、B家具店の外商担当K氏の電話では、「すべて自分がしています。A氏は実質的なことは何もしていません。」とのこと。
10%コーディネイト料決定のいきさつ
A氏「突然ですが、金属看板や家具など私がデザインする部分については、基本の設計監理業務の外ですから、若干のコーディネイト料と言いますか、デザイン料ということで、別途お支払いただけますか?」
私 「ハア…するとやはり、10%くらいの…ですか?」
A氏「いやあ、そうしていただけるとありがたいです。助かります。」
私 「ハア…。(釈然としないまま)分りました。」
A氏は私のことを、まるで打出の小槌のように、叩けば叩くほどお金のでてくる財布だと思ってしまったようです。しかし、私自身はほとんど自己資金を持っていませんでした。
私を資金面で支えてくれたのは、父の末の妹です。
A氏から催促があるたびに、私は叔母のアパートを訪ねていました。彼女のおかげで当面の運転資金や経費には困らないということをA氏は早くから知っていました。
もちろん私はA氏への必要な支払を渋ったりしたことは一度もなく、催促されるままに早めに支払をくり返してきたのですが。
さらに、A氏がこだわった金属看板も私が初めに依頼していた「ふくろう」のマークでなく、出来上がって見ると、私の姓をもじった「一本の木」のマークでした。
この銅版はすぐに錆びて、何も図柄がわからなくなったので、後日、「ふくろう」マークのアルミ板を、電照看板を付けてもらった会社に依頼し、銅版の上に被せております。
A氏のデザインとは、氏自身のためのものであって、私のためではなかったと思います。
しかし、その頃はまだ、もっと恐ろしい、重大な事実は明らかになっていませんでした。
その事実とは、この建物がA氏自身の設計ミスと、現場にほとんど足を運ばない無監理がもたらした、下請け工務店(2x4パネル製作会社と金属屋根施工会社)による、連続手抜きの結果、竣工時からすでに回復不可能な欠陥住宅であったということです。
A氏が去ってわずか1週間後から、そのドラマは始まりました。今まで述べてきたことは、
これから始まる凍りつくような話の序章に過ぎません。 |
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【複雑な屋根です】
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【A氏がこだわったエッチング銅版。日焼けして真っ黒!】 |
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第1章終わり 次の章へ! |
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▲上へ |
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