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  Q&A4:2x4
屋根の基本的構造にも重大な欠陥があるとのことですね?
A説明するのも恥ずかしいほどの、素人でも判る欠陥があります。
 
A:金属瓦屋根
B:防水層
C:合板(野地板)
D:軒天
E:軒先屋根
F:雨樋
G:外壁
【本来の設計図】
 
まず、本来の設計図を見てください。金属瓦屋根(A)は、軒先屋根(E)に被いかぶさる形で施工されるようになっています。AとEの隙間は、コーキング(隙間充填剤)で目張りされます。Aの直下には、防水層(B)があり、その直下にAを支えるものとして、屋根用の耐火野地板(構造用合板、C)が貼られています。Bの防水層は、軒先屋根(E)の直下にもすべて貼られており、軒天(D)裏に回りこむように施工されています。また軒天(D)は、軒先屋根(E)に直結せず、一段高く段差を設けることで、強い風雨の時に、軒先屋根を回り込んだ雨水が、軒天に当たり浸入するのをできるだけ回避できるように工夫されています。
施工順序は、C → D → B → E → A → F(雨樋)です。これでは、屋根に降った雨水が外壁裏へ浸入しようとしても困難なはずです。

一方、当院建物の現況はどのような施工になっているのか、動画をご覧ください。


現状の家

1)金属瓦屋根(大屋根、A)と軒先屋根(E)の施工順序が逆。
2)金属瓦屋根の基礎(耐火野地板、C)と防水層(B)の施工順序も逆。
3)軒先屋根(E)の直下にあるべき防水層(Bの延長)が欠損。
4)軒天(D)が軒先屋根(E)に、段差なく直結。
5)雨樋(F)がない。
6)大屋根(A)と軒先屋根(E)との隙間に、コーキングが未施工(調査前)。


どうしてこういうデタラメ施工になったかと言うと、野地板(C)を敷く前に、うっかり防水層(B)を敷いてしまった(ただし、軒先には未施工)。その後で、野地板(C)を敷いたので、この施工逆手順がバレルのを防ぐため、軒先屋根(E)を敷く前にさっさと大屋根(A)を葺いてしまった。後で現場にやってきた、軒先屋根担当の板金屋のF氏は、すでに大屋根が葺かれているのを見て、「これは必ず雨漏りする (平成9年12月4日にF氏から直接に聞いた話)。」と確信したそうですが、軒先には、耐火野地板のみで防水層が施工されていないにもかかわらず、担当した軒先屋根だけを施工して帰ってしまった。

これらの事情は、屋根板金をA氏から直接に請け負った(株)○○○○本店にF氏から連絡され、同店の担当者も熟知していた。その連絡で設計監理のA氏も知っていた。もちろん元請のC建設株式会社も事後連絡で了解していた。

大屋根と軒先屋根との間には、隙間充填材(コーキング)がなされていなかったから、屋根が葺きあがった時点、つまり竣工前から、雨は浸入しっぱなしであった。浸入した雨は耐力壁へとひたすら侵入(浸入ではない)し続けていた。つまり、竣工時には、すでに壁は劣化し始めていた。さらに、A氏は、自分自身が設計した設計図に背いて、建築途中から、雨樋なしという難度の高い技に挑み、あえなく失敗。そのため、本来雨樋で持ち運ばれるべき雨は、すべて外壁に浸入することとなった。
要するに当院建物では、屋根に降ったすべての雨水がそのまま、軒天裏を伝って、外壁裏へと吸い込まれるようになっております。

ところで、さらに悪いことに、外壁内へ浸入してきた大量の雨水を待ち受けていたのは、金物を一切使用されず、互いに緊結されず、かつ建物基礎とも緊結されていない、3.75mmの構造用合板代用品(サーモプライ、ジャ○○建材株式会社輸入品)であった。これは構造用合板と異なり、両面にアルミコーティングしたラミネート板であり、本来必要な耐水性を有するものであるからこそ、建設省の認定を得たものであるが、しかし、釘を通して侵入(浸入ではない)してくる雨水にはまったくの無力で、輸入販売店でさえ予測しなかった超早期の劣化腐食を耐力壁にひき起すことになった(耐力壁の悲惨な状況は、コンテンツ本文で写真をUPします)。

A氏は、構造用合板に替えて、代替品のサーモプライを使用することを一言も施主である私に説明せず、了解もとらず、かつサーモプライの販売店が使用説明書に図入りで明示してある施工方法に準拠せずにこれを使用した。
ところでA氏はサーモプライの使用を施主に説明したと主張している。それならば、四会連合協定で取り決めている通り、説明し、承諾を得たという書類を提示していただきたい。