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第2章-5:最初の本格的な検証報告書,2
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住宅には、物理的寿命と心理的寿命があるといわれます。E氏は、当院建物の物理的寿命が、築数年であろうと予言したのでした。私は、E氏の報告書(平成10年3月26日報告)で完全に打ちのめされました。
しばらくの間、ほとんど食事ものどを通らない状態でした。
私にとって、限りない思いで築いた建物が、予想もしなかった事態で朽ち果てていく。
この建物の心理的寿命は、その時に終わったのです。
さて、E氏は、詳細な調査を実施し、報告書を作成してくれたのですが、如何せん、個人で展開している設計事務所では、時間的・物理的制約があり、いつまでも調査の仕事を依頼しつづけるわけにもいかなくなりました。
私は、ふたたび奔走し、G建築設計事務所がE氏の仕事の後を継続して引き受けてくれることになりました(次章より、G建築設計事務所一同による徹底した調査報告を掲載)。
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軒裏:下地の木部が湿っている。 |
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軒屋根:軒先屋根裏。金属瓦の直下に木毛板(合板)があり、防水層は施工されていない |
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屋根:木毛板の下に防水層らしきものがある(逆施工) |
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天窓:トップライト周囲。勾配がおかしく水溜りの痕。金属瓦にスキマが多い |
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天井裏:グラスウールは丸めたままで敷き込まれていない |
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